『放浪記』

放浪記 [DVD]
ずっと高峰秀子というと、堂々の「美人女優」と認識してたので、このヒロインを見た時、思わず「…は?」。正直いって、別人かと思いました。まさに、ガラスの仮面ですよね。
最近では、シャーリーズ・セロンが『モンスター』のヒロインに説得力をもたせるべく、脱・美貌して、いどんだ体当たり演技で話題になったり
めぐりあう時間たち』のため、あのニコール・キッドマンが、つけ鼻装備で(!)アカデミー主演女優賞をもぎとった快挙!が記憶に新しいですが、この徹底ぶりは、北島マヤも真っ青。
逆にいうと、彼女に、そこまでさせた成瀬巳喜男監督、おそるべし。
(だけど、あの黄金率フェイスが、ボサボサ・太眉と、奔放動作&ふてくされ口調で、ここまで変わるとは… 逆もまた真ナリ?!って意味で、どひゃ〜っ)
しっかし、笑っちゃイケナイんですが、これって、まさに元祖「だめんず・うぉーかー」。
登場する男性が皆、思いっきり、だめんず見本帳な感。彼女の大きすぎる才能が、そういう面々を引き寄せるのか、はたまた、はからずして、そういう資質を引き出してしまうのか… うむむ、なものがあったのでした。
私も私で、ミーハーゆえ、同じ男性を軸。最初はパチパチしてた女性同士が、ともに文学を愛する部分でシンクロし、不思議な友情が芽生えるあたり、あの坂本龍一教授を軸に、大貫妙子矢野顕子がイイ友達になったのは、こういう感じだったのかなぁ?と、想像をたくましくしたりしてね。
「やるな、だめんずの星…」なエピソードに、思わず、ほろっとさせられたし… ふと、森光子バージョンも見てみたいような気がしてしまったのでした。