夜の訪問者

どういう訳か知らないけれど、学生だった頃。紅茶の美味しい、ラジオから、イイ感じの曲の流れてる、平和な夜ほど、賑やかな夜の訪問者が多かったような気がします。なんでやねん?
「ぐすんぐすん…今夜は、泊めてくれる?」と女友達が、しっとりと失恋話しにきた日に限って、それをぶちこわすような、野暮天・軍団がくるくる…
1度なぞ、酔った冗談。裸踊りをはじめてしまった子が、「ひょっとして、うけた? うけた? 面白い? ならば…」ってな感じで、悪ノリ炸裂。風呂桶、片手に2階の子の部屋から3階の我部屋に乱入してきてしまい、それをを、た〜またま、上記の彼女がドアをあけてしまったものですから、さぁ、大変。
「ぎゃ〜ああああ!」と、絹を裂くような大絶叫が、夜のしじまにこだまするする。いやぁ、慌てた慌てた… 隣の部屋のワンゲル部長さん、バット片手に、飛び出してきましたもんね。す、すみませ〜ん… 
後ろから服、持って追いかけてきたキミたち、遅〜いっ! かくして、気がつくとチャカポコなってしまい、しまいには、大トランプ大会から、電気を暗くしての怪談話にまで発展したりして、大盛り上がり。最初の客人である彼女が「…な〜んか、悩んでるの。バカらしくなった…」には、「……(ぽりぽり)」だったりしてね。
かと思えば、上級生になってくると、なぜか周囲の痴話喧嘩が急増。なぜか、カップルして、それぞれに「聞いてよ聞いてよ〜ぉ」と、駆け込んでくるんですよ。
さんざん好き放題、喋りまくっていき、その分。溜飲が下がって、すっきりぃ。帰る時には、手に手をとりあってアツアツな図には、ひゅるる〜〜っ
「あのぅ…そんなに仲良くなるのなら、どうしてココに来るんでしょう?」と素朴な疑問を投げかけると「だってぇ、2人だけで喧嘩してたら、怖くて、言いたいこと言えないしぃ、その分。終らないんだも〜ん」には、がっく〜ぅ。私は、長屋の長老かいな。
こんな、温かい飲み物の美味しい、寒い日には、なぜか千客万来だった日々を思い出してしまうのでした。