『八月のクリスマス』

う〜ん、どっかで、その名前。聞いたような… って、素朴い興味からチェックしたのですが、これまで刷り込まれてた、韓国ドラマ、イコール「美男美女、あ〜んど、ストーリーも、こてこてで、実に単純明快っ!」の印象がひっくり返る、淡々とした丁寧な描写を積み上げた、誠実なオハナシなのに驚き!でした。
だって、ある意味で、究極の片想いのオハナシ…なんですもの。
(ひょっとすると、ヴェンダース監督よろしく、小津映画の影響を受けてるの…かな)
八月のクリスマス [DVD]
最初は、えらく素朴なお兄ちゃんが主役なんだなぁ… ってことは『猟奇的な彼女』よろしく、巻きこまれてアチャ〜!な展開と思ってたら、町の小さな写真館を舞台にした、なにげない日常の積み重ねが、なかなかに味わい深かったです。
家族写真を撮ったあと、おばあちゃんが、こっそり、後で撮り直しにくる(化粧直し、してね)エピソードも可愛かったし、それが、ある意味で全体の複線にもなってて「なるほどなぁ…」
実は、タイトルの意味が最後までピンとこなかったのですが、誰かの指摘で(夏に出会った)彼女の存在こそが、彼にとっての最高の贈り物?ってな説に「をを、なるほど!」
感心するやら、ちょっと、しんみり、なるやら… だったのでした。
面白かったのは、ものすごく「好きだぁぁ!」って方がおられる一方で、(中には、わが生涯のベストワンだぁ、って方まで)「メリハリなくて、退屈。意味わかんな〜い」って方もいらっしゃり、ちょっとニヤニヤ、なものがあったです。
どうやら、今度、山崎まさよし主演でリメイクされるみたいで(それで、名前がインプットされてたのかぁぁ)これまった、ネット横丁的には、思いっきりの賛否両論! なんですね。
う〜〜ん、たしかに、主人公の素朴さ、誠実さ、その性分がゆえに、明かせぬ想い、が軸になってる、切ないオハナシだけに、山崎まさよしでは、印象が、かなり違うものになってしまいそう…
月とキャベツ』の、「かつて、カリスマ的人気を誇ったミュージシャン」って役柄は、ちょっと無いぐらいの、絶妙のハマりよう、だったんですがね。(思わず、シーンを巻き戻して何度も見たのは、これとラピュタぐらいかも…)
ちょびっと「怖いもの見たさ」的な興味になってしまいそうで、うむむのむ。