足音でワカル?!

ヒット曲を耳にしただけで、その時の風景までが、どわどわ蘇るのは、誰しも覚えあること。プルーストなぞ、少年時代に嗅いだ、朝食の匂いからだけで、壮大な物語を書き上げたぐらいですもんねぇ。五感の領分、おそるべし?!
下宿生だった頃。結構、常連さん達「バイクや自転車の音、階段を上ってくる足音」だけで「誰か、ピタリと当ててしまう」ホームズぶりに驚きました。
「どうして〜ぇ?」とパチクリすると、みなさん、ゲラゲラ… 1番、分かりやすいのはバイク排気音らしく、聞いた瞬間。ちょっと興味ある子なら、車種まで瞬時に判別できるそうで「あっ、ハーレーやから、Sだな」みたく分かってしまうのだとか。
また、自転車を止める癖、にも、それぞれ、個性が反映されるらしく、一気に急ブレーキをかけ、キキキ…と旋回して止まる子。ゆっくりと、丁寧に自転車をとめ、タンタン…と、規則正しく階段をのぼってくる子。ひょこひょこ、跳ねるように、のぼってくる子… 「性格、出るよね」には、なるほどなぁ…
しまいの頃には、ほとんど最初に集まった面々の「ナンタラ当てクイズ」っぽくなってたほど。「Mだね」「いや、Kかな?」「自分は、Mとみた!」ってな感じで、扉があくまで、ワクワク。ドアが開いた瞬間、もう、大騒ぎ!で。
そういう意味では、社宅住まいだった新婚時代。だんだん、みんなして、打ち解けてくる内。「足音でワカルよね」「そうそうっ。私も思ったぁ!」と、めちゃくちゃ盛り上がってしまった時は、感動、覚えたです。
「たとえば、どのように…??」「ほら、たとえば、Iさんとこなぞ、それはもう、元気に“階段、一気のぼりっ!”じゃない」「はい、うちはリーガル、ガシガシ、履き潰しで〜す」(爆笑)には、内心。うわおっ!
一同。それはもう、見事なまでに、それぞれの(ダンナ様の足音の)特徴を把握してて、誰かが指摘するたび、一同「それ、分かるぅぅ!」の連続。ひっくり返って、笑うさまを、感服しつつ眺めてた次第。
「足音でワカル」ようになれば、親密さも、また、ひとしお!なのかもしれませんね。