ラブストーリー

ラブストーリー [DVD]
どっかで、なかなかに評判がヨカッタので、そういう興味から見たんですが、登場人物の顔立ちといい、風景といい、演出や、小道具。ストーリー展開といい、現在の日本では、なかなかお目にかかれないような、懐かしさ混じりのレトロ感覚が、うんと新鮮でした。
(あまりの正攻法な物語ぶり。ネット評も、「絶賛」「大泣き」と「気恥ずかしい」の、思いっきり賛否両論に両極化してるのに、ウケまくり。『猟奇的な彼女』の監督さん、だったんですね。な〜るほど)
ほんに、顔ってものは、見事なまでに、カメレオン。意識と空気を、即。反映!しますよね。上京して、ものの3ヶ月もしない内。とくに若い世代なぞ、別人へと変貌するケースはざら、ですから。
たとえば、戦時中の物語を撮ろうとしたら、監督やスタッフ一同は“(とくに、子供達に)そういう顔立ちの子が見当たらない”のに苦慮する、とか、田中好子をして『黒い雨』を撮った時も、“顔が変わる”ので、撮影中は都会に戻らないことを厳命した、ってなエピソードも「なるほどなぁ…」なものがあったのでした。
そういう意味では、ヒロインが二役演じてるんですが、可憐なルックスにもかかわらず、本当に“演じ分けてる”のが、凄い!んですよ。母の青春、その後、いろいろなことがある、ビフォア・アフタ。娘の青春、と全部、「そういう風に見える」のが大したものだなぁ…と舌を巻いたです。彼女、大物になるかも!