『花とアリス』

花とアリス 通常版 [DVD]
オハナシ、というか、物語自体は、とても他愛ないエピソード(片想い大作戦)なんですが、そこに描かれる少女達が醸しだす空気というか、表情のひとつひとつ。それに込められた大きな愛ゆえの映像美が、じつに絶品!でした。
公開当時。その評判としては「まるで、少女漫画のような…」との声が、印象に残ったのですが、今にして思えば、出てきた頃の吉本ばなながそうでした。
盛り上がり始めた頃の韓国ドラマが、そう比喩されたように、逆に考えると、少女漫画自体が、かなり完成度の高い「1歩、先ゆく」エンターティメントであった、のかもしれませんね。
作品に話を戻すと、たとえば失恋が決定的になり、大泣きする直前の表情といい、オーディションで踊るシーンといい、繊細で心ゆさぶる、「美しいもの」が沢山つまってて、それを、岩井俊二監督なりの美意識で組み立てていった、首飾りめいた感じが、素敵でした。
ヒロインの少女達。ますますの快進撃!になりそうな予感ヒシヒシ。
同じプロット、同じキャスティングをしても、同じ味は出せないかも。そういう意味で、岩井監督、おそるべし! …その仕事を、見守りたい方のひとりです。
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