憧れの職業、といえど…

noho_hon2005-08-03

ふとした御縁から、現代の、輝く憧れ職業の方。現役の声優さん達のオハナシを伺う機会がありました。
特に、複数の方から貴重なるエピソードをうかがってると、それぞれの軌跡は、驚くばかりに多種多様。
後ろには、星の数ほどの“順番待ち”な方々が控えてて… な現実を思うと「ナニガシの依頼がある」方の「選ばれし」度は、うんと感慨深いものがあったです。
中には「決して、甘くは無いです」という現実を知らしめるべく「1本、レギュラーの座を射止めて、相場は1万5千円。それが月に4回として… 実際問題として、生活できますか? まず不可能です」と、ガツンとやってのち
「だけど、ある方なぞ、レギュラー、2、3本で、既に8月の予定表は真っ黒です。なぜだと思いますか?」と業界事情のカラクリを教えてくださったり… (サイン会とか付加イベントとか、現在では、サムシングが増えてる模様。…時代、ですよねぇ)びっくりしまくり、だったのでした。
中には「ぶっちゃけた話。私は、お金をケチり、策に溺れて、時間を失いました。一見、安い近道に思えるものを選んだ結果、果てしない回り道をしました」にキョトンとしてると
「養成所直営のコースを選んだばかり、上のイメージに合わないと、日の目が当たらないのです。おかげで、どれだけ悔しい思いをしたことか… 活路を見出したのは、意外にも、捨て身の覚悟で、そこを飛び出してのち」とか
「ベテランほど、血のにじむ努力をしてます。ビギナーに混じり、ボイストレーニングを欠かしません」「でも、その結果。“順番待ち”の列の長さ、競争の激しさ、は、気が遠くなりそうなほど」とか、しんみりしてしまったです。
スローダンス』でも、妻夫木君演じる主人公は、才能があるのに「逃げ出してしまった」設定になってるけれど、「あるだろうなぁ… それ」と、思わず考えさせられることしきり。
だって、ちょっと前。アート系の学校に籍を置いてた頃。決死の思いで上京し、石にしがみついても「食べていける身になろう」としてた方々のガッツは、それこそ、鬼気迫るものがありましたもの。
同時に、才能という「目に見えないもの」を頼り。競争の激しい中で生きていくのは、どんなに孤独で心細いことだろう。最初の学生時代、エンジニアの卵という、分かりやすい勉強をしてたのは、ある意味で、どんなに楽な部分があったことか… 等々。
つい、遠い目になってしまったことなぞ、思い出してね。
ふと、往年の、さきさん(たけしママ)のキモチが分かるような気がしたのでした。