『ファインディング・ニモ』

噂によると、アチラでは記録を「塗りかえる!」ほどの大ヒット、だったですが、素朴に映像が美しく、活劇がスピード感に満ち、分かりやすくて楽しかったです。
また、このタイトルから、ふと想像をめぐらせてしまったこと。
誰かのエッセイで「なるほどなぁ…」と感じたのですが、たとえば“かくれんぼ”の醍醐味は、そのドキドキ、ハラハラ以上に「探し出してもらう」ことに、子供心。根底的に大きなヨロコビを感じるのでは?説に、ひどく納得!させられるものがありました。
人には誰しも「探したい」「見つけ出して欲しい」ってな、密かなれど、大きな願望がある気がしません? 恋にも、たぶんに、そういう面がありそうだしぃ…
ファインディング・ニモ [DVD]
たとえば、コンテストやオーディションの類が人々を魅了してやまないのは、応募者にとっても、見守る者にとても「(その資質と価値を)見出させる」「見つける」ことにあるような気がします。
ガラスの仮面』の、甘露ポイントのひとつは、他の面ではまったく凡庸…というか、どちらかというとダメダメ少女が「資質を見出される」、部分が、大きな見どころ、というか、読者にとってのカタルシスに思われて。
シンデレラ・コンプレックス。王子様願望の核心部分は、その周辺にあるのでは?とさえ、邪推してしまうほど。
話を元に戻すと… 懸命に「探す」親心。子供にとっての「命がけで“探してもらう”ヨロコビ」それだけで、胸キュンとなりますよね。
なんとか逆境から「脱出」しようと奮闘し、仲間の助けによって勇気をたくわえていく成長過程… 折々の活劇なる「生理的な快!」のみならず、いろいろな意味で「なるほど、エンターテイメント」な、王道ツボに満ちてる気がしました。
ある意味で、マーリン(ニモのパパ)と、エネルギッシュで、可愛くトホホな、ドリーとのコンビも味だったし… このあたりの機微も(生涯に何度も縁ある)世相を反映してる?!
個人的には、それほどまでに強く「求めたい」「求められたい」親子のキモチ。「仲間と分かち合いたい」気分… それは、日本では想像できないぐらい、アチラでは、渇望にも程近いものがあっての、記録的大ヒット、だったのかもしれませんね。
あと、「これって、本来。ラップ(リズムにのって、韻を踏む)の楽しさもあったのかな?」と、まずは吹き替えで「映像の美しさと、アクションを堪能」しましたが、ふと字幕版もみてみたいような気がしてしまったのでした。
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『ハルハルの映画レビュー』「ファインディング・ニモ」