遠距離・1

noho_hon2005-02-18

中学、高校の頃、僻地なる郡部から、県庁のある市まで、遠距離通学してました。バスと汽車と自転車を使ってね。
田舎ゆえ、便数が極端に少ないもので、選択肢は2つのみ。まだしも空いてる早い便に乗ると、6時前に家を出なければならなかった(!)のでした。
ハナシとして聞くと「よくまぁ…」と呆れられますが、実は私。その生活が結構、気に入ってたんですよ。
冬なぞ、真っ暗で、ただでさえ灯が少ない場所にもってきて、寝静まった町に、降るような星が、それはそれはキレイ!だったこと。空気がうんと澄んでるせいか、星が消える頃、空が紫色になり、やがて、神々しいまでの夜明けが見られるんですよ。…うっとり…
誰もいないシンとした校舎に、自分の足音が響いたり、やがて、どんどん音が増えてきて、次第に、早朝練習の音色とか掛け声が響くのは、なかなか味わい深いものがあったです。「校舎が目覚める」瞬間に立ち会ってる、みたいで、ワクワク。
いっとき、耳でコピーした、とおぼしき、ロック・ナンバーのバラードをピアノで弾く子がいて、それも密かな“楽しみのひとつ”だったしね。
また、はじまりは、友達への見栄、というか、周囲がみんなそうしてるので真似っこしてる内。本当に「本を読む」のが好きになりました。図書館で借りてね。未知なる時代や異国の事情、ちょっと背徳の耽美世界に、オットナ〜な要素を感じて、ドキドキ。
一見。「(遠くて)なんて、お気の毒…」に見えつつも、実は随分、実り豊かな時間だったように思われて。