デビルサイド

noho_hon2005-04-23

ここんところ、4歳児にハンマーで重症を負わせた少年の「これでもかっ!」にデビルな発言が世間を震撼させてますが
個人的には「それを公にする」こと自体に、彼のみならず、警察や報道の、半ば確信犯的な部分というか、時代の気分めいたものを感じて、うむむ…であります。
そういえば『恋におちたシェイクスピア』の中。なにげない描写だけど、シャイクスピアに、ファンの少年が、こうリクエストする場面が、ひどく印象に残りました。
「いっぱい人が死ぬ、残酷で刺激的な作品を待ってます」と、陰湿にククク… と笑い、去っていくシーンにドッキリさせられたんですが、あるよね。とかく娯楽には、そういう表裏一体となってる毒の領分って…
たとえば、ジャイアンのび太に「え〜い、むしゃくしゃするから殴らせろ」と理不尽なことを言う場面じゃないけれど、ストレスがたまると、無性に弱い者いじめしたくなったり、無自覚に“人の不幸は蜜の味”なとこあったり、穴があれば覗きたくなったり…
河合隼雄の対談集で、今はビッグな作家となられた方が「じつは、いっとき、密かな万引き衝動に苦しんだ時期があり、でも不思議と作品を書くようになって、それがピタッとおさまったのです」と告白してたのが忘れられません。
人は誰しも紙一重な存在で、もやもやしたデビルサイドが横たわってるの、忘れたくないなぁ… と思ってしまうのでした。