『珈琲時光』

珈琲時光 [DVD]
古くは、『ブラックレイン』の、リドリー・スコット監督。最近では、『ロスト・イン・トランスレーション』の、ソフィア・コッポラ監督じゃないけれど、異国の監督さんが、自分達にとっては日常風景である場所を切りとって表現すると、じつに不思議な感慨があって興味深いこと。
たとえば、『ブラックレイン』で表現された大阪が、どことな〜く、香港か『ブレードランナー』っぽく映ったように
(気のせいか、『ブレードランナー』の冒頭シーンって、かぎりなく秋葉原の匂いがしません?)
侯孝賢監督の描く東京は、彼独特の空気感があり、異国の風が吹き抜けるようで、「なるほどなぁ…」と感心してしまったのでした。
ただ、たしかに佳作ではあったけれど、「小津安二郎生誕100周年を記念」と、わざわざ銘打ってしまったのは、ちょっと損した感だったかな? いや、特にラストなぞ、彼なりの小津映画に対する、深いオマージュ、ってのは、よく理解できた、ですが。
改めて、ポジションを心得て、作品を活かす。相手の魅力をひきだし、自らも光る、浅野忠信って、ますますタダモノじゃないなぁ、と感じました。
青春デンデケデケデケ』 の時点で、(素朴な高校生役でありながら)既に周囲と“一線を画してた”感でしたが、改めて、その役者力、改めて、おそるべしっ! 一青窈も、さらなるチャンスに恵まれますよう…