ヒット作品は、ド真ん中

思えば、セカチューといい、この、今をときめくベストセラー作家・市川拓司。おそらく「語りつくされたであろうベーシックな物語」を、原点に返り、「改めて提示してみせる」手腕が卓抜!してるのに感心。
亡くなった大切な人が蘇ったとしたら、再会することができたら、どんなにイイだろう?って思いは、『長恨歌』の昔から、古今東西より、万人の思い描く、究極の夢物語。
たとえば、渡辺淳一の偉さは、古典、というか、普遍の夢や願望を「現代に蘇らせる」巧さ、だと思います。(『化身』は『源氏物語』であり、『マイ・フェア・レディ』。『失楽園』のエッセンスは、近松心中に思われて)
やっかみや批判は簡単だけど、彼もまた、そういう手腕の持ち主、なのかもしれません。偉いです。「迷った時は、初心に戻れ」というか「スタンダードは永遠に不滅」って語が脳裏をよぎります。